そう言えば、女性に「草」というあだ名を付けられた友人Rがいる。
「草」というのは、雑草とか、ハーブとか、そういうのではなく「草食系」という文字に使われる「草」から来ていると思われる。
Rは30代半ばで欧州と日本とのハーフ。
飲食店や輸出入の仕事とか、幅広く手がけている優秀かつ将来有望な男性である。
Rとは共通の友人を通じて彼の家のホームパーティーで知り合い、一緒に合コンもしたことがあるんだけど、すごく優しくて物腰和かで、軽々しく女性を口説いたりしない紳士。
で、紳士すぎての「草」である。
ある晩、Rの泊まるホテルに、彼にロックオンした女性が押しかけていったらしい。その女性というのも、聞くところによると若くてスタイル抜群の美女だそうだ。
自分の泊まるホテルに、美人で、しかも自分に気がある女性が来たら、鴨が葱……いや、鍋からガスコンロから調味料一式揃えてやってきたと考えるものだ(と思うけど、男性のみなさん、どうでしょう?)けど、そこからがR。
軽くテンパってトイレに駆け込み、友人に電話をはじめた!
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R:ちょ、今俺の部屋に女の人が来たんだけど(汗)
友人:はっ? えっ? 誰?
R:たぶん、この前パーティーに来てくれた子。
友人:誰それ、俺の知ってる子?
R:たぶん知らない子……。
友人:ふーん、で彼女1人?
R:うん。
友人:マジ? ひとりでRのホテル探し当てて来たってこと?
R:なんでわかったんだろうね……(´・ω・`)
友人:(笑)でも女1人なんでしょ? ヤバイじゃんRやるじゃん!(wktk)
R:笑ってる場合じゃなくって!(滝汗) どうしよう終電ないみたいだし……。
友人:なにいってんのw 一緒に寝なよw 相手してあげなきゃ彼女かわいそうじゃんwww
R:えーどうしようー(オロオロ)
友人:"どーしよー"じゃないよw あ、ちょっと今俺も手が離せないから、じゃあね。R頑張ってね(ガチャツーツーツー)
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R放心。
結局彼女に何もしなかったという逆武勇伝。
そこから
Rは草食系以下→『草』
という華麗な図式ができあがる。
だめだよR。私がその彼女だったら立ち直れないくらい傷つくわ。
ハーフだし、社長だし、優しいけど、『草』なRはモテないのでした。
こんな愉快な友人に出会えるから、人生は面白いね。